シン・ICサービスとは

大規模ディジタルICを電気的検査する世界唯一のソリューション

 

目次

シン・ICサービスとは 真贋判定用の新型ICテスタを新開発 従来の真贋判定における電気的検査との違い  どのような電源ピン配置にも柔軟に対応  全端子の電圧をモニタ  JTAG IDCODEによる真贋判定  バウンダリスキャンによる端子の操作  Device DNAによる検査 まとめ

 

 


シン・ICサービスとは?

シンICサービスは、FPGAやCPUなどの大規模ディジタルICに特化したIC真贋判定サービスです。
ICの全端子に電源とGNDを与えて実際に動作させることで本物と偽物を判別します。
X線や光学検査とは違い、実際にICを動作させるので確実に判別でき、比較用の正規品サンプルは不要です。

 

ディジタルICの真贋判専用のテスタを開発しました

FPGAやCPUは端子の数が非常に多く、品種ごとに端子の配置もそれぞれ異なる上に複数の電源を必要とします。

当社では数百本のBGAやQFPの端子に、4種類の電源とGND、アナログ信号、ディジタル信号を与えられるICテスト装置を開発しました。これによって、非常に多数のピンを持つICの電気的検査が可能になりました。

この装置のソケットはQFP100~BGA1517まで各種取り揃えてあり、ソケットを交換することで様々なICに対応することができます。

ソケットの一覧と対応時期はこちら

 

BGA256ピンや、BGA324ピンなど、標準的なBGAソケットを広く取り揃えておりますので、お預かりしたICをその日のうちに検査いたします。

シンICの真贋判定装置は、これからも多ピンIC対応に向けて、まだまだ進化します。

 


どのような電源ピン配置にも柔軟に対応

4種類の電源は1.0V~3.3Vまで設定することができ、電源以外にロジックL、ロジックHを与えることができます。

どの端子からどの電源を出力するかは、ファイルで設定されます。

例えば、ALTERAのMAX2にはGタイプとノーマルタイプがあって、Gタイプはレギュレータ内蔵でないからVCCINTに1.8Vを加えなければならないけど、ノーマルタイプは2.5Vまたは3.3Vを加えなければなりません。そのような場合でも設定ファイルを書き換えるだけで容易に対応できます。

 


全端子の電圧をモニタ

シンICのICテスタは、電源電圧、電源電流をモニタするだけではなく、すべてのI/Oの電圧をモニタしてリアルタイムに画面表示しします。

例えば、FPGAやCPUのモードピンやリセットピンを正しく設定すればコンフィ不要のクロックやメモリ読み出し信号が出てきます。これらの信号が出力されるかどうかを見て、ICを正しく動作させて、偽物かどうかを判別できます。

ターゲットICをQFPやBGAソケットに装着すればよいので、非破壊で迅速に検査が行えます。

 

 


 

JTAGを使った真贋判定

 

JTAG IDCODEによる真贋判定

ほとんどのFPGAやCPLDと一部のCPUはJTAGに対応しており、JTAGを通じてIDCODEを取得することができます。

JTAG IDCODEはデバイスのファミリに固有です。例えば、Spartan-6のXC6SLX100はXC6LSX50とは異なるIDCODEを持ちます。このため、他のデバイスのマーキングを書き換えたような中古再生品ICであればIDCODEの取得により偽物は100%判別できます。

全く異なるICのマーキングを書き換えた場合は、JTAGが接続できなかったり、前述の端子電圧のモニタで偽物と判別されます。

 

バウンダリスキャンによる端子の操作

シンICのICテスタは、MITOUJTAGというJTAGバウンダリスキャンツールと連携して動作し、バウンダリスキャンで端子を操作することができます。JTAGで操作した端子の電圧をICテスタの電圧モニタで観察し、端子が動くかどうかを見ることで1本1本の端子が正常に動作するかどうかを見ることができます。

古いFPGA(Cyclone2やSpartan-2/3世代など)は新品が製造されていないか製造量が極度に少ないためため、流通在庫から購入するしかありませんが、どうしても中古品(再生品)しか入手できない場合もあります。

そのような中古品(再生品)のICがでも、端子が正常に動作するかどうかをこの検査で発見することができます。

 

 

Device DNAによる検査

XILINXの6シリーズ以降はDevice DNAというデバイス固有のユニークIDが書き込まれています。この値は57ビットで唯一無二の値とされていて、メーカーが出荷時に不揮発性メモリに書き込んでいます。シンICのICテスタでは、Device DNAを取得することができます。

最近では他のメーカーでもFPGAやCPUにもこのようなユニークなIDが書かれているものが多くなっていて、それらはJTAGを使って取得できます。もし、半導体工場で廃棄された不良ロットが不正に流出した場合、特定のユニークIDのものは不良品と紐づけられているため、取得したユニークIDをメーカーに照会することで不正流出品かどうかを判断することができます。

 

まとめ

シンICの電気的検査は、FPGAでよく使われるBGAやQFPの標準ソケットをあらかじめ用意しており、どのようなICにも即座に対応できます。そして、電源を正しく与えて実際に機能するかどうかをファンクションテストします。

本物かどうかの判断にはJTAGのIDCODEや、DeviceDNAなどのユニークIDを用いるので、偽物が入りこむ可能性はほぼゼロです。また、バウンダリスキャンを使ってI/O端子が正常に動作するかどうかもテストします。

X線や外観検査と補完しあい、FPGAやCPLD、CPUの偽造品を、確実かつに迅速に判別します。

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