開発日記
2022年12月 展示会SEMICON Japanに出展しました!
シンICのWebサイトに検査依頼を受け付けて自動見積する機能を搭載
2022.12.25
Webサイトから半導体真贋検査の依頼を受け付けて、金額をWebで自動見積する機能を作りました。
ナビバーにある「検査の依頼」を押すと、下の画面のようなページに遷移します。
最初はカートが空なので、カートの確認は押せません。
ここで検査の追加を押します。
下の図のように、ICの型番や、パッケージの形状、検査数量を入れるフォームが出るので、必要事項を記入していきます。
こんな感じです。
ここで確認ボタンを押すと、
このように見積もってくれます。
難しいのはお客様がパッケージタイプを選んだりバウンダリスキャンの対応状況を入れなければならないことです。そのため、間違った情報を入れても人間(特電の中の人:私)がチェックして、最終的に正しい金額を見積もる作業が必要になってしまいます。
また、X線と外観検査で明らかな偽物だった場合には電気的検査をしても意味がないのでしないという選択もあります。逆に本物の可能性が高いから電気的検査は抜き打ち検査で20%くらいにしたいとかいう要望もあるかもしれません。
そのため、依頼時点では正確な検査内容も金額も出せないはずです。
というわけで、当社の真贋判定サービスでは、X線と外観検査が終わった時点で正確な見積金額を出そうということにして、依頼時の金額はすべての検査をしてMAXの金額を見積もって出すことにしています。
このような感じでWeb上で見積が取れて、
「次へ」を押せば、住所入力画面に遷移して、そのまま発注できるようになっています。
発注サイトの設計で気を付けたことといえば、基本的には画面にあるのは「次へ」と「戻る」ボタンだけにしたこと。いっぱいボタンが並んでいるデザイン(オジサンはそういうの好きだけど)は現代人には好まれないのだと思う次第です。
とりあえず発注サイトは1日で作れました。
さて、こういった注文内容はデータベースに入れておくのですが、Xという注文が「Aというアイテムと、Bというアイテムと、Cというアイテム」で構成されているときのデータベース設計について少し書きます。
一つの注文の中に複数のアイテムが入るようなビジネスの場合、注文というテーブルと、注文詳細というテーブルに分けて管理します。
つまり、Xという「〇〇さんから注文があった」という情報を入れるテーブルと、「Aが〇個」「Bが△個」「Cが×個」というのを入れるテーブルを別々に作っておいて、XテーブルのidをA,B,Cに紐づけしておけばいいのです。
昔(10年くらい前)に売上管理のデータベースを作ろうと思ったときに、こういった基本的な考え方を見つけられず、かなり苦労しました。データベース設計の定石的な方法ってなかなか体系的にはまとまっていないんですよね。
具体的にいうと、ユーザ登録とオーダーとをどうやって紐づけするかを今悩んでいます。DigikeyでもMouserでも、ユーザ登録しなくても買い物できるじゃないですか。ユーザ登録すれば過去の履歴を見れたり住所を入れる手間が省けるしユーザにとってもメリットはある。
登録をしないで買い物を続けていって支払いが終わった後で登録するような場合に、他のサイトさんではどうやって紐づけするのかな~と気になっています。
ここでも2段階でもメールが飛んでくるのかどうかとか、気にしだすと気になります。
現代風のユーザ登録機能
2022.12.23
半導体真贋サービス「シン・IC」のページにユーザ登録機能を実装しました。
最近のユーザ登録って、メールアドレスを登録すると、ハッシュ値が書かれたメールが送られてきてクリックすると本登録完了というやつではないですか。
だから、見様見真似で実装しました。
まず、ユーザの新規登録を押すと、こういうダイアログ風のページが出て、
こういう感じでメールを送信しましたと出て、
メールに書かれているURLをクリックすると、
本登録が完了するというものです。
なんで、みんなこういう2段階の仕組みにしているんでしょうね。
そんで、ログインができるようにしてみたのですが、
ログインした先のページにはまだ何もありません。
さて、ログイン先には何を作りましょう。
様々な種類のBGA ICソケットを入荷
2022.12.21
注文していたBGA用 ICソケットが入荷しました。
BGA236ピンからBGA1517ピンまで全9種類。
1500ピンを超えるようなやつだと、プローブがびっしりですね。
ああ、早く検査装置を作って検査したい!
シン・ICのホームページを作成しました
2022.12.19
展示会で配ったパンフレットに、「詳しくは特設サイト https://shin-ic.jp/ へ」と書いてしまったので、慌てて特設サイトを作っています。
いつも、こんなバタバタです。
Bootstrap5というのを勉強して、サクッと作りました。
ちゃんとSSLにも対応しています。
どうぞよろしくお願いします。
SEMICON JAPAN 2022 出展報告3日目
2022.12.16
今日も元気に座り込み活動しています。もう3日目です。5分座っただけでも座り込みなんです。
でも、何に抗議しましょう??
偽物半導体にでも抗議しましょうか。
ということで、今日もたくさんのお客様に見ていただけました。30人くらいだったでしょうか?
100冊束のパンフレットが30冊残っていたので、3日間で70人の方にパンフレットを配ったはずです。
でも、期待していたほどたくさんの方がいらっしゃったとはいえません。SEMICON JAPANという展示会は半導体の製造装置、つまり正規品の半導体を作っている方のイベントなので、あまり真贋判定が必要になるような偽物半導体とはかかわりがないのでしょう。
これにて、撤収っー!
帰ったらシンICのホームページ作らなきゃ、忙しいっ!
SEMICON JAPAN 2022 出展報告2日目
2022.12.15
今日も元気に出展しています!
昨日との大きな違いは何かというと、プラカードを作ったことです。
プラカードというか、B1サイズの大きな印刷物です。
今回のブースはコンクリートの柱によって隠れてしまうという立地条件が最悪な場所でした。
少しでも目立たなければ、誰も見てくれません。
首からかけることができる看板を2枚作って、それを体の前と後ろにつけてサンドイッチマンにしたのですが・・さすがに恥ずかしすぎました。
でも、看板を持って遠くの人にアピールすると、気に留めてくれます。
恥ずかしがっている場合ではありませんね。一人でも多くの見込み客にアプローチしなければ出展している意味なんてないんですから。
看板にはキャッチな「半導体の真贋判定」と書いてあります。半導体の真贋判定で困っている人は遠くからでも見つけて声をかけてくれました。そうでない方も、「なんのブースだろう?」という表情でパネルを読んでくれるようになりました。
その甲斐あって、1日目よりたくさんのお客様に来ていただけましたと思います。
総数で20~30人くらいだったでしょうか。
SEMICON Japanに出展しています(1日目)
2022.12.14
この小さな2m×1mのブースが弊社ブースなのですが、
ほとんどお客様が来ません!
麻痺するくらい暇です。
今日のお客様は6人くらいだったでしょうか。真贋判定サービスに興味を持っていただいたのは4人くらいかなと思います。
チラッと見て素通りしていくだけならまだしも全く見られることもありません。
なお、出展しているのは半導体真贋判定サービスで使う装置とそのサービスです。
入り口の前の、ポジション的には良い場所なんですけど、どうして人が来ないんでしょうね・・?
- ブースが小さくメカニカルに動くものがない
- 事前の周知徹底(ハガキ出したりなど)不足
- そもそも正規品の半導体を作っている人の集まりだから、ミスマッチ
- 柱が邪魔で存在に気が付かれない
- 目立たなすぎるから
いろいろ考えられますが、目立たなすぎるというのを明日は改善していきたいと思います
日時:2022年12月14日(水)~16日(金) 10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 東3ホール
小間位置:3702
展示会SEMICON Japanの準備追い込み
2022.12.13
明日からの展示会に向けて準備の追い込みをしています。
まずは徹夜でパンフレットを作ってアクセアさんに特急コースで印刷を依頼しました。デザインセンスはないし、パワーポイントなんだけど、フォントと画像素材集でそれなりの仕上がりになりました。
仮眠をしてから朝になって、届いていたHOZANのマイクロスコープを組み立ててみたら、ICのパッドがめちゃくちゃ綺麗に見えました。マイクロステージと局所ライトも買ったので操作性も抜群!
下の写真はシンIC子基板のコネクタ部分。業者さんによるはんだ付けは綺麗です。
クリーム半田とリフローだと、ピンの上側がはんだメッキされないので、ICのピン本来の光沢が残りますね。
シンIC子基板をVカットで分離するときにOLFA Pカッターで切ったのですが、基板の淵と配線が近接していて肉眼やルーペでは配線が無事かどうかわからなかったのですが、マイクロスコープで見ると一目瞭然。0.4mmくらいの余裕がありました。
次の気持ち悪い写真は、QFPのICソケットのスプリングピンが穴から突き出しているところです。ピン間隔は0.5mmなので、10μmくらいの分解能は余裕であると言えるでしょう。
マイクロスコープやX線検査でしばらく遊んだあと、秋葉原にパンフレットを取りに行き、深夜になってからIC真贋判定装置の組み立てを始めました。
基板をカッターナイフで分離して中継基板に挿し、それをベースボードに乗せたりして組み立てていきます。計算を間違ったのか1cmくらいの誤差が出ましたが、スペーサとかワッシャで調整です。
そして、全部のユニットが組みあがったら深夜の4時ごろになっていました。
組み立ててみてわかったのは、子基板に邪魔されてピンヘッダにアクセスできないこと。
展示会では形状見本として展示し動かさないのではんだ付けは適当(ベタ付け)です。
これを段ボールに入れて手で抱えて明日は(本日は)会場に赴きます。
展示会ポスターを数年ぶりに作成した
2022.12.12
明後日から開催されるSEMICON Japanの準備も佳境に入ってきました。
印刷物は今日発送すれば、前日準備の日に会場に届くから、手持ちしなくてもよくなります。ポスターを徹夜で作ってアクセアさんに発注し、郵送で納品してもらうことにしました。
ポスターを作って展示会に出るなんて、4年ぶりくらいでしょうか。
いろいろな文章を書きたくなるのですが、ポスターは掲示するものなので写真を多くして文字を減らします。
とりあえず、これでGO。
0.5mmピッチのコネクタのはんだ付けで苦労する
2022.12.11
昨日の0.5mmピッチコネクタのはんだ付けがうまくいかず、苦労しています。
X線検査機があるので撮影してみると、右側が私の手はんだした基板。左側が業者さんにお願いした子基板
右側の私の基板はブリッジしているのが良く見えますね。X線って面白い。
真贋判定装置の筐体組み立て
2022.12.10
真贋判定装置の子基板・実装済みが届きました。
拡大してみるとワクワクします。
一方、PCBGOGOに注文していた中継基板も届きました。
拡大してみてみると、うぎゃーと思えるピンの密度。
さて、手はんだ付けして組み立ててみますかね。
・・・
あ、こりゃダメだ。
手はんだするとブリッジしまくる。QFPのICみたいに引き半田ができない。なぜだろう。
とりあえず2個のコネクタを付けたので、ここに子基板を挿してみます。
エッジコネクタを取り付けます。このコネクタ、すぐにピンが折れる
仕上がりは悪くない。
次にベースボードを付けてみます。これも悪くない。
筐体に入れてみると、大きな問題はなく組み立てることができました。
問題は64個のコネクタをどうやってはんだ付けするか、ですね。
ボトム基板の作成と出図
2022.12.10
基板屋さんに問い合わせたところ、土曜日の午後3時までに出図すれば月曜日発送で基板を作ってくれるとのことでした。できれば午前中にデータが欲しいとのこと。
そういうわけで、今日は「ボトム基板」を設計しています。
ボトム基板というのは底面になる基板で、4つの中継基板に電源を供給したり、SPI信号を供給したりするものです。
設計開始が朝8:40。
左側の設計が完了し、90本の配線をジャンパに引き出せたが9:32。
左の配線をコピーして下の配線ができたのが、9:44。
ぐるっと一周分の配線ができたのが10:12。
ここでまさかのCPLD登場。10:16。このCPLDはSPIやJTAGの信号を4枚の中継基板に分配します。
CPLDの配線もひけたのが11:08。
ポリゴンを貼って、シルクで端子の説明を書いて、完成したのが12:32。
表面。
裏面。
午前中には間に合わなかったけど、基板屋さんは本日受け付けてくれました。
月曜日に発送とのことなのでSEMI Japanに間に合います。よかった。
久しぶりのIC真贋判定サービスを行いました
2022.12.06
まだIC真贋判定サービスはスタートしていないのですが、お問合せのあったお客様はQFP144ピンのICをお使いとのことなので、真贋判定してみることになりました。
144ピンなら試作器を使って検査ができます。
セットアップの完了した姿がこちら。
スパゲッティ状の配線がありますが、これは電源をつないでいる配線です。
今回はFPGAではなくてルネサスのマイコンなのですが、3.3V単一電源で動作するので設定は楽でした。
(といっても大変ですが・・)
今年の5月ごろと今とで違うのは、X線検査装置と顕微鏡の存在です。
これでX線検査と光学検査ができます。
X線検査は1枚撮影したところでX線検査装置に付属していたPCが故障。SSDが吹っ飛んだみたいで夜中の3時から昼の13時まであれこれ復旧作業をしてみたけどダメでした。幸いなことに撮影した画像はサルベージできましたが、PC本体の起動はできなくなりました。メーカーに送って修理してもらうので今後1~2週間はX線検査はできなさそうです。
光学検査では大きな収穫がありました。再生品(中古品)である兆候が得られたのです。どんなに綺麗にはんだメッキをしてもわかります。ふっふっふ。詳しくはSEMIジャパンの特電ブースに来ていただいた方にお話しします。
表面のマーキングの文字も、私が持っているルネサスマイコンのものと少しフォントが違うし、少し焦げ気味な気がする・・
これはマーキング書き換えた偽物かもしれない!と興奮したのですが、電気的検査をしてみるとJTAGのIDCODEは正規品を示していました。
(今は検査にMITOUJTAGを使っていますが、いずれは専用のソフトを開発します)
また、すべてのI/Oもバウンダリスキャンで正常に動作しました。
FPGA真贋判定サービスのつもりだったのですが、マイコンの判定もできました。
光学検査やX線検査はあきらかな偽物は偽物であると断定できますが、全ピンの電気的検査を行って、動かぬ証拠ではなく、
「真正品のIDCODEを示した。I/Oが動いた」という動く証拠を出せます。
X線検査も光学検査も、ICが動くというお墨付きを与えられるものではないので、真贋判定に電気的検査は絶対に必要だと思います。
そこが、当社が開発している真贋判定サービスの大きな強みであると思います。
中継基板の完成
2022.12.04
ようやく「中継基板」と呼んでいる基板の設計が完了しました。
0.5mmピッチ2列のコネクタを縦に並べているのですが4層だとかなり厳しいですね。
縦に引く配線で2層使うので横に引けるのが1層しかない(残り1層はGND)。つまり、狭ピッチのコネクタを並べるのは意外と配線層を食うということです。
これを手ハンダするのは嫌なので実装屋さんに出したいのですが、水曜日ぐらいに発送してもらって木曜日に届けばよいのですが、PCBGOGOに頼むと4層基板を24時間で作ってくれて12月5日に出荷してくれるそうです。そうすれば7日には着くからワンチャン間に合うかも。
PCBGOGOで24時間コースが選べるのは半田レベラーのみ。半田レベラーってのは、溶融はんだの中にどっぷり漬けて空気で吹き飛ばすハンダメッキの方法です。表面の平滑度が良くないので、その後のクリーム半田塗布とかで実装屋さんが嫌がります。
表面処理を金フラッシュにすると24時間コースが使えなくなって最短48時間になるのはわかるのですが、耐熱プリフラックスでも48時間かかるということです。塗るだけだから早いんじゃないかなと思ったのですが、そうでもなさそうです。
PCBGOGOの納期体系で不思議なところは、なぜ耐熱プリフラックスが長いんだろうということですかね。
それから、ベースボードと呼んでいる基板も出図しました。
これは両面なので24時間コースが選べて、12月5日には出荷される見込みです。
作りたいものは半導体テスタなので、丸いか四角いかという違いはあれど、どうしてもプローブボードみたいな感じのものになってしまいます。
アクリル板とアルミフレームの発注
2022.12.02
展示会用の真贋判定装置のために図面を描いて、アクリル板やアルミフレームを発注しました。
最初は360ピンまでのものを作ります。
横から見たずはこんな感じ。
縦の柱は「アルミフレーム」というX字型のやつを使います。
汎用的なアルミフレームを使えば安くて早いのですが、カットが入ると納期4~5日になるので、あらかじめカットされているものを探していました。
そんな折、100mmにカットされているものがモノタロウで売られていたのでそれを発注しました。
アクリル板はどうしても納期がかかりそうですが、はざい屋さんでカットと穴あけだけでできるものであれば翌日配送くらいで作ってくれるのでそれを注文しました。
シンICの子基板が届く
2022.12.01
半導体真贋判定装置の子基板(生板)が届きました。割りやすいようにと思って1.0mm厚にして、ミシン目とVカットを入れたら、柔々です。
こんなボードを700枚くらい作って組み立てるのですが、あまりにも半導体不足すぎで半導体検査装置が作れないから、秋月に在庫されてたCPLDでなんとかするわけです。
試作する時間がなかったので一か八かのギャンブルに出ます。
たのむ、一発で動いてくれ。